【読むゲーム】FFT イヴァリースクロニクル:Part1

Game

長きにわたる「50年戦争」の終結により、イヴァリースは混迷を極めていました。主人公ラムザ・ベオルブは、名門「北天騎士団」の棟梁を代々務めるベオルブ家の末弟として、その生を受けました。二人の兄は、亡き父バルバネスに代わり北天騎士団の中枢を担っており、ラムザは親友のディリータと共にガリランド王立士官アカデミーに通っていました。

ファイナルファンタジータクティクス – イヴァリース クロニクルズ名

【スクウェア・エニックス】PS5/PS4、Switch/Switch2、Xbox SERIES X|S




骸旅団殲滅作戦への参加

ガリオンヌ領
魔法都市ガリランド

ある日、ガリランド王立士官アカデミーに通うラムザたちは、緊急の招集を受けていました。どうやら「骸旅団」という盗賊団が悪事を働いているらしく、その殲滅作戦が開始されるというのです。
戦後、帰還した騎士や傭兵たちの多くは、報酬も得られず、職や家を失いました。彼らの中には、盗賊や反逆者に身をやつす者も現れ、北天騎士団は治安維持に奔走していました。ラムザとディリータたちは、その作戦の一環としてイグーロス城での警備を任じられたのでした。

その時、街に盗賊たちが逃げ込んできたという知らせが入ります。ラムザたちは任務の前哨戦として、その盗賊の討伐を命じられます。貴族として生きてきたラムザにとって、彼らがなぜ盗みや殺しを行うのか、理解することができませんでした。無事に盗賊の討伐を終えたラムザたちは、本来の任務であるイグーロスの守備へ向かいます。


守備任務のためにイグーロスへ

ガリオンヌ領
マンダリア平原

イグーロスへの道中、ラムザは骸旅団に襲われている少年に遭遇します。救助ため骸旅団を退けると、彼はランベリー近衛騎士見習いのアルガスと名乗りました。アルガスは、ランベリーの領主であるエルムドア侯爵が、骸旅団に誘拐されたので助けて欲しいと願い出ます。

自分たちだけでは対処が難しいと判断したラムザは、ひとまずアルガスを同行させます。任務地であるイグーロスはラムザの実家であり、そこに住む兄たちは国の要人です。領主であるエルムドア侯爵が誘拐されたとなれば、まずは兄に報告するのが確実でした。


エルムドア侯の誘拐について兄に相談する

ガリオンヌ領
イグーロス城

イグーロスの城に到着したラムザは、長兄のダイスダーグを訪ね、アルガスを引き合わせます。すぐにでもエルムドア侯を助けに行きたいアルガスは、兵隊を貸して欲しいと申し出ますが、当然断られます。ダイスダーグは、北天騎士団の団長である次男ザルバッグへの捜索隊の手配を約束すると、守備任務へ戻るよう命じます。

城を出たラムザは、アルガスの身の上話を聞かされます。どうやら彼の家は没落しており、名誉を取り戻す為に功を焦っているようでした。そこへ兄のザルバッグが現れます。末っ子であるアルマと、ディリータの妹であるティータも一緒でした。ザルバッグは、義賊であるはずの骸旅団が、金銭目的で侯爵を誘拐するということに違和感を感じているようでした。

士官候補生としてガリランドに滞在していた二人の帰還を知り、アルマとティータが出迎えます。

骸旅団の動きを探るべく派遣していた調査隊は戻らず、その捜索の許可も降りなかったため、情報収集が頓挫しているようでした。ザルバッグは、調査員が消息を絶った場所が「貿易都市ドーター」であることを伝えると、暗にその調査を促します。ラムザはザルバッグの意図を感じ取り、骸旅団の調査を優先することにします。

ディリータは、久しぶりに再会した妹のティータとの別れを惜しみます。兄を想い明るく振る舞うティータでしたが、アルマは、平民出身の彼女が学校で辛い思いをしていることを、こっそりとラムザに伝えます。

ティータはディリータにとって唯一の肉親でした。ラムザは平民である二人の兄妹愛に、妾の子である自分とアルマを重ねます。

骸旅団の調査のため「貿易都市ドーター」へ

ガリオンヌ領
貿易都市ドーター

ラムザ一行は、「貿易都市ドーター」のスラム街で骸旅団と遭遇します。その際、骸旅団の指導者である「ウィーグラフ」を目撃します。彼は50年戦争時、義勇兵で結成された「骸騎士団」の団長でした。敗戦により職を失った彼らは、骸旅団として活動していたのです。ウィーグラフがその場を去ると、ラムザたちの存在に気づいた骸旅団が襲いかかってきます。

骸旅団を退け、その一人を捕虜にとると、エルムドア侯爵の監禁場所を聞き出そうとします。アルガスの手荒な尋問を受ける捕虜は、自分たちはあくまで貴族の横暴に立ち向かうものであり、盗賊などではないと訴えます。そして、その想いを背負って理想に殉じるウィーグラフが、身代金目的の誘拐などするわけがないとも言います。
ラムザたちは、誘拐の実行犯が副団長「ギュスタヴ」であること、また、侯爵の監禁場所が「砂鼠の穴ぐら」という、ゼクラス砂漠にある集落跡であることを聞き出します。

骸旅団は、ウィーグラフとギュスタヴの派閥で内部分裂が起きはじめていました。

エルムドア侯救出のため「砂鼠の穴ぐらへ」

ガリオンヌ領
ゼクラス砂漠:砂鼠の穴ぐら

「砂鼠の穴ぐら」では、ギュスタヴ派の団員たちが見張りをしていました。彼らはウィーグラフの理想に疲れ、明日を生きるためにギュスタヴの身代金誘拐に加担していたのです。ラムザたちはこれを撃退し、監禁場所へ向かいます。

一方ウィーグラフは、独断で行動するギュスタヴを粛清しようと、ひと足先に監禁場所へ訪れていたしていました。ギュスタヴは、ウィーグラフの目指す革命には成就の見込みがなく、目先の利益を優先するほうがマシだと訴えます。あくまで同調を拒むギュスタヴに、ウィーグラフは剣を突き立てます。

そこへラムザたちが現れます。ウィーグラフは、エルムドア侯爵の誘拐が本意ではなく、自分たちはあくまで革命のために活動していることを伝えます。そう言うと、捕らえられていた侯爵を盾に逃亡してしまいます。ラムザはエルムドア侯爵を救出し、イグーロスへ帰還することにします。


エルムドア侯救出の報告にイグーロス城へ

ガリオンヌ領
イグーロス城

ダイスダーグへの報告に城へ戻ったムザたちは、本来の任務を放棄して独断行動したことを咎められます。すると、その重い空気を破るようにラーグ公が入室してきます。ラーグ公は、エルムドア侯救出の功績を認めるように言うと、ラムザの気概が守備任務に収まるものではないとダイスダーグをなだめます。その意向を受けたダイスダーグは、ラムザたちの「骸旅団殲滅作戦」による、アジトの一斉襲撃への参加を許可します。

ラムザたちが退室すると、ダイスダーグは弟の独断行動についてラーグ公に謝罪します。しかしその理由は、命令違反についてではありませんでした。実は、「エルムドア侯の誘拐」はダイスダーグの計略であり、それがラムザの動きによって、想定外の流れになってしまったことを謝罪していたのです。ラーグ公は、本来の計画がどうあれ、結果的にはエルムドア侯爵に恩を売ることができたとして、それを許容範囲と判断しました

✅ 本来の計画とは

本編では明言されておらず、どういった計画だったのかは不明です。セリフから読み取れるのは、エルムドア侯爵誘拐は、ラーグ公とダイスダーグが主体となった計画であり、本来は彼らによって「救出」される予定だったということです。想定外の展開ではあったものの、侯爵が助命されたという事実は残り、それを根拠にラーグ公陣営はエルムドア側に政治的妥協を迫る立場を得たということになります。その「要求」とはなんだったのかは不明ですが、エルムドア侯爵がゴルターナ公の陣営に属していることから、その勢力を削ぐことに繋がる何かだったのかもしれません。


骸旅団のアジトを襲撃すべく「盗賊の砦」へ

ガリオンヌ領
盗賊の砦

「骸旅団殲滅作戦」による一斉攻撃に参加したラムザは、ガリオンヌ南端にある、通称“盗賊の砦”に向かいます。そこを護るのは、ウィーグラフの妹である、女剣士の「ミルウーダ」でした。本体との分断され、逃げ場を失ったミルウーダは、決死の覚悟でラムザたちに戦いを挑みます。

ミルウーダは、神の前では貴族も平民もなく、皆平等な人間だと主張します。しかしアルガスは、貴族の権威は生まれながらのものだと反論します。没落してしまったとはいえ、貴族であるということだけがアルガスの唯一の拠り所なのです。それは同時に、平民を徹底的に卑下することで担保されるのでした。

戦いの末、ラムザたちはミルウーダたちを無力化し、その処遇について話し合います。アルガスは家畜にすぎない平民は殺すべきだと主張しますが、ディリータはそれに反論します。彼もまた平民であり、アルガスの過激な言葉に同調することはできませんでした。ミルウーダは情けをかけるラムザに対し、徹底的に抵抗すると宣言して逃亡してしまいます。任務を完了したラムザたちは、ひとまず報告のためイグーロスへ戻ります。


任務完了の報告と、ベオルブ邸の襲撃

ガリオンヌ領
ベオルブ邸

一方その頃、成都イグーロスにあるベオルブ邸が骸旅団に襲撃されます。その目的は、ダイスダーグの暗殺のようでした。賊に襲われて負傷したダイスダーグでしたが、ザルバッグの活躍によって未遂に終わります。しかし、襲撃が失敗に終わった骸旅団は、ディリータの妹であるティータを人質にとって逃亡してしまいます。

イグーロスへ帰還したラムザは、実家が襲撃に合い、ダイスダーグが負傷したことを知ります。ラムザを労うダイスダーグは、ザルバッグが骸旅団への総攻撃を準備をしていると伝え、ティータの救出が確認できるまで総攻撃はしないと約束します。

ティータの誘拐と総攻撃の話を聞き、居ても立っても居られなくなったディリータは、ベオルブ邸を出ます。感情的になるディリータに、ダイスダーグの言葉を信じるように言うラムザでしたが、アルガスは「貴族が平民の娘を助けるわけがない」と反論します。そして、平民であるディリータが貴族の一員のように振る舞うことへの不満をぶつけます。親友を侮辱されたラムザは怒り、アルガスに二度と姿を表すなと突き放します。その場を去ろうとするアルガスは、去り際に「ジークデン砦」に骸旅団の本拠地があることを伝えるのでした。


ティータを救出すべく「ジークデン砦へ」

ガリオンヌ領
レナリア台地

ティータを救出するため、独自にジークデン砦に向かうラムザたちは、その道中でミルウーダと再開します。ティータの所在を問うディリータでしたが、どうやら彼女は関与していないようでした。しかしミルウーダは、平民から大切なものを奪う貴族に妹を返す道理はないと、徹底抗戦の構えを見せます。ディリータは、自身が貴族側として彼女たちと争うことに違和感を感じるのでした。

あくまで和解を願うラムザですが、もはや社会の構造は話し合いで解決できないとミルウーダは訴えます。争いを止めることができないラムザは、やむなく彼女と対峙し、これを倒します。ミルウーダは現実を理解できないラムザに、哀れみの言葉をかけながら倒れるのでした。


ウィーグラフとの対峙

ガリオンヌ領
フォボハム平原

一方ウィーグラフは、フォボハム平原の風車小屋で、団員のゴラグロスを問い詰めていました。ゴラグロスは、人質をとったことを非難するウィーグラフに、窮地を乗り切るために必要だったと訴えます。ウィーグラフはギュスタヴとの関係を疑うものの、あくまで彼の独断の行動のようでした。

そんな中、ミルウーダが戦死し、その命を奪ったラムザたちが近づいていると報告を受けます。ウィーグラフは、ゴラグロスに人質を残してジークデン砦に向かうよう指示すると、自身は時間稼ぎのため出陣します。ウィーグラフのように理想に殉じることはできないと考えるゴラグロスは、命令を無視してティータを連れて行くのでした。

ウィーグラフはゴラグロスたちを逃がすため、ラムザたちの前に立ちはだかります。剣を引けば話し合えると言うラムザを一笑に付すと、その視野狭窄な認識に苛立ちを見せます。

侯爵の誘拐がダイスダーグの策略だと暴露するウィーグラフは、その裏にあるラーグ公とゴルターナ公の覇権争いについて仄めかします。ラムザは反論しますが、ウィーグラフは自分の目で真実を確かめるよう言い残し、逃亡してしまいます。


ジークデン砦での決戦と別れ

ガリオンヌ領
ジークデン砦

一方、ジークデン砦に向かっていたゴラグロスは、北天騎士団とアルガスを率いたザルバッグに追い詰められていました。ゴラグロスはティータを人質にとり、火薬を仕掛けたジークデン砦を盾に逃れようとします。しかし、ザルバッグは一歩も引きません。そこへラムザたちが到着します。

身動きが取れないラムザたちを尻目に、ザルバッグは攻撃命令を出します。そしてアルガスは、躊躇なくティータとゴラグロスにボウガンを放ったのです。矢を受けて倒れるティータを目の当たりにし、ディリータは崩れ落ちます。平民のめに払うべき犠牲や労力はないというのが貴族の常識であり、この世界の現実でした。
ザルバッグは逃亡したウィーグラフを追うため、この場をアルガスたちに任せて砦を後にします。

アルガスにとってザルバッグの命令に従うことは、貴族の責務として当然のことでした。また、平民であるティータを見下すことは、かろうじて貴族である自分の存在意義を守ることでもあったのです。ザルバッグとアルガスの非情な判断を目の当たりにしたラムザは、ミルウーダの言葉の重みを実感します。

アルガスは、ベオルブ家に生まれたという理由だけで無自覚に利益を享受し、貴族の責務を果たそうとしないラムザに怒りをあらわにします。そして、力のある貴族は、犠牲になる者たちのために責任を果たす必要があるのだといいます。没落貴族である彼もまた、貴族社会の被害者でした。

貴族たちの陰謀に巻き込まれ、妹を失ったディリータは激怒します。そして、親友だったラムザもまた力を振りかざす側であり、自分の敵であることを自覚したのです。
ディリータは、アルガスやベオルブ家へ復讐し、理不尽な世界を破壊することを誓います。ラムザは現実と理想に板挟みになりながらも、北天騎士団に剣を向けます。それは、事実上、ベオルブ家との決別を意味していました。

ディリータの激しい怒りの前に、アルガスは倒れます。
戦いが終わり、ディリータがティータの元へ向かったそのとき、ゴラグロスが仕掛けていた爆薬が爆発しはじめます。ディリータはラムザの呼びかけに応えることもなく、ティータの亡骸と共に炎の中へ消えていったのでした。


ベオルブ家の一員として何の疑問もなく暮らしていたラムザは、ウィーグラフやミルウーダとの出会いによって現実を目の当たりにします。それは戦後の混乱であり、貴族社会の歪みでした。ディリータと別れ、自分の甘さを実感したラムザは、真実を自分の目で確かめようとするのでした。


ファイナルファンタジータクティクス – イヴァリース クロニクルズ名

【スクウェア・エニックス】PS5/PS4、Switch/Switch2、Xbox SERIES X|S