【読むゲーム】FFT イヴァリースクロニクル:Part0

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言わずと知れた傑作「ファイナルファンタジータクティクス(以降FFT)」がリメイクされたということで、布教の一環として記事を作成しました。SRPGという少々マニアックなジャンルなこともあり、FFファンでもスルーしてしまう人は多いのではないでしょうか。そこで、ゲーム性には一切触れず、本作の真骨頂はシナリオに焦点を当て、本を読むように楽しめる記事にしました。記事の性質上、完全なネタバレとなりますので、興味がある方はプレイしたあとに復習を兼ねて読んでいただければと思います。

ファイナルファンタジータクティクス – イヴァリース クロニクルズ名

【スクウェア・エニックス】PS5/PS4、Switch/Switch2、Xbox SERIES X|S



最初に

FFTは、中世ヨーロッパ風の剣と魔法の世界「イヴァリース国」を舞台にした、いわゆる戦記モノです。様々な視点と複雑な背景から物語が語られるため、あらかじめいくつかの前提知識を持つことで理解を深めることができます。特にテキストでしか語られない50年戦争や、ベースとなる権力構造は、以降の物語やキャラクターの心情に大きく関わります。ただ、非常にややこしいので、本編を楽しむ上で必要と思われる最低限の情報に絞って紹介します。


イヴァリースを構成する6つの領

イヴァリースは、アトカーシャ王家が治める国家です。複数の小国が覇権をめぐって争い成立した国で、現在は王家直轄の「ルザリア」に加え、「ガリオンヌ」、「ゼルテニア」、「ライオネル」、「ランベリー」、「フォボハム」の計6つの領地から成ります。また南西の島には、世俗権力とは独立したグレバドス教会の本拠地、「聖地ミュロンド」があります。戦記モノということで、これらの固有名詞が頻繁に現れますので、理解しておくとより物語が楽しめます。

領名

領主または統治者

中心地または城

登場する騎士団

アトカーシャ王家

ルザリア領

王都ルザリア

ルザリア聖近衛騎士団

ガリオンヌ領

ラーグ公

イグーロス城

(成都イグーロス)

北天騎士団

ゼルテニア領

ゴルターナ公

ゼルテニア城

南天騎士団

ライオネル領

グレバドス教会

(ドラクロワ枢機卿)

ライオネル城

聖印騎士団

ランベリー領

エルムドア侯

ランベリー城

ランベリー近衛騎士団

フォボハム領

バンテリン公

リオファネス城

不明

聖地ミュロンド

教皇フューネラルV世

聖ミュロンド寺院

神殿騎士団


50年戦争の戦禍

50年にも渡る諸外国との戦いは事実上の敗北に終わり、戦争借款や莫大な賠償金、また領地の一部割譲により、イヴァリースは破産寸前まで追い込まれます。長年の戦争による疲弊に加え、敗戦による庶民や帰還兵の失職は、王侯貴族への不信感を募らせ、治安悪化を招いてしまいます。


王権の弱体化と混乱

50年戦争の末期、王であるデナムンダ4世が死亡し、オムドリア3世が後継者となります。しかし彼は病弱であり、リーダーシップに欠けていました。その上、王位継承者候補である二人の王子を既に失っており、これが以降の新たなる騒乱の種となります。

王が政治に消極的であったことや、王位継承者が不在であったことが、ルーヴェリア王妃の発言力を強めるきっかけとなります。

王妃ルーヴェリアと元老院の軋轢

病弱で政治に消極的な夫(オムドリア3世)に代わり、王妃のルーヴェリアが独裁的な執政を行っていました。それは伝統的な政治機関である元老院との摩擦を産み、対立するようになっていたのです。

オヴェリアの王位継承

元老院は二人目の王子が他界した際、先王デナムンダ4世の娘であるオヴェリアを養女に迎え、事実上の王位継承者とします。彼女はまだ15歳で、兄とは20歳も歳が離れていました。元老院は、オヴェリアに王位を継承させることで、王妃ルーヴェリアの力を削ごうとします。

政治に口出しをするルーヴェリアは、元老院にとって疎ましい存在でした。また、彼らにとってもこの混乱は、自らの発言力を強めるチャンスでした。

オリナス王子の誕生

オヴェリアに王位を継がせようとしていた元老院でしたが、オリナス王子が生まれたことで目論見は崩れてしまいます。また、時を同じくしてオムドリア3世が死亡したことで、王妃ルーヴェリアの発言力は増してしまいます。その後オヴェリアは、王妃の兄であるラーグ公に引き渡され、オーボンヌ修道院で過ごすことになります。

ルーヴェリア王妃は邪魔なオヴェリアを排除し、兄のラーグ公をオリナス王子の摂政にすることで、実権を固めようとします。

ラーグ公(白獅子)

先代の王、デナムンダ2世を祖とする、最も有力な貴族の一人です。ガリオンヌ領の領主であり、四大騎士団の一つ「北天騎士団」を擁しています。また、王妃ルーヴェリアの兄であることから、政治面でも強い影響力を持っています。その紋章から「白獅子公」とも呼ばれています。

ゴルターナ公(黒獅子)

国境に位置するゼルテニア領の領主です。北天騎士団と双璧を成す「南天騎士団」を擁し、50年戦争では前線を守る要として活躍し続けました。彼の家系もまたデナムンダ2世の分家であり、由緒正しい血統の持ち主です。その紋章から「黒獅子公」とも呼ばれます。

混乱に乗じて王権の後ろ盾を固めようとするラーグ公に対し、ゴルターナ公には圧倒的に政治的が力が足りませんでした。

ベオルブ家

300年の歴史を誇る貴族の家系です。由緒正しき武門の棟梁として、北天騎士団を率いています。家長の「天騎士バルバネス」は50年戦争の英雄でしたが、病に倒れてしまいました。その後、「次男のザルバッグ」が騎士団長となり、「長兄のダイスダーグ」は、ラーグ公の軍師となります。主人公のラムザは末弟であり、末っ子のアルマと同様に妾の子です。

ディリータ

元は農家の息子でしたが、黒死病で両親を失います。その後、バルバネスの厚意によって、妹のティータと共にベオルブ家に引き取られました。ラムザの親友であり、共に王都士官アカデミーに通っています。妹のティータは、ラムザの妹であるアルマと貴族学院に通っています。この物語の中心人物となります。

バルバネスは、母親の違いに関係なく息子たちを愛していました。ディリータの能力を見抜いていたバルバネスは、息子のラムザと共に歩むよう言い残します。

ファイナルファンタジータクティクス – イヴァリース クロニクルズ名

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