私にしては珍しく中型のキットです。少々手に入りづらいアイテムではありますが、完成時の存在感はなかなかのものです。大きいと言うことは塗りやすいということでもありますしね。
個人的には手を入れる必要のない「標準的なビルバイン」だと思いますが、正直言って合わせ目にクセのあるキットです。説明書の完成見本では段落ちモールドとして処理されていますが、「さすがにそれは無いだろう」という強引さも感じたため、気になる箇所については対応しています。
マスキングや事前塗装しなければならない箇所について、重点的に解説していきます。
合わせ目消し
肩フレーム
まずは肩のフレーム部です。このキットは、後ハメが不可能だったり難しい箇所が多いこともあり、挟み込むパーツを事前に塗装しなければいけないパターンが多いです。そのため、先に塗装するパーツを選定しておくことをお勧めします。ただ、肩フレームに関しては、最終的にはショルダーアーマーで隠れるので、面倒ならスルーでもいいかもしれません。

肩アーマー
非常に目立つ場所であり、作業も簡単なので、優先したい合わせ目消しの部位です。段落ちモールドとして成形されているため、合わせ目を消すと言うよりかは「溝を埋める」という感じになります。
ダボは一般的なC字カットで後ハメ加工をしておき、接着(溶接)した上で瞬間接着剤を流し、ヤスリで整えます。ここは荷重のかからない場所なので、C字カットによる耐久力低下も比較的気になりません。後からはめ込む際に、肩フレームのピンが折れてしまわないよう、C字カットの具合(ハメ込む時シブみ)には注意しましょう。


オーラキャノン
砲身のパーツに挟み込こまれる「ジョイントの部品」はあらかじめ塗装し、挟み込んでから接着します。この手の円筒は、ヤスリがけで形が崩れると目立つ上、筒自体が結構薄い(中が空洞)ため慎重にヤスリをかけます。


オーラショット
ここも段落ちモールドとして設計されているため、気にならなければスルーでも構わないと思います。今回は一応消しましたが、正直かなり面倒なので、気にならないなら無視してもいいかもしれませんね。
撮影し損ねていた部分が多いので、文字メインの説明になります。
- ライフルストック(モナカ)を組み立て(接着)、合わせ目を消す。その後、塗装と艶消しコートまで行う。
- 白い本体パーツも、組み立てる前に塗装しておく。
- ライフルストックを白い本隊パーツで挟み込み、組み立てて接着する。
- ライフルストック部分をマスキングする
- 白い本隊部分の合わせ目(溝)に瞬着を流し込んでヤスり、合わせ目を消す。
- 削った部分を塗装し直す


肩基部
このキットの最難関です。コクピットを機首で挟み込み、さらにその機首を挟み込む形となるため、後ハメがおそらく不可能です。色々考えましたが、マスキングが一番早いだろうという結論にいたりました。
1)コクピット内部を塗装〜機首〜肩基部(内側)
挟み込みの起点となるコクピットを塗装します。ここはスミ入れから艶消しコートまで全て終えておきます。その上で、塗装済みの機首パーツで挟み込みます(機首の合わせ目はスルーしました)。
組み立てた機首部を、肩基部の内側パーツで挟み込みます。当然、この肩基部パーツ(外側・内側)もあらかじめ塗装しておく必要があります。


2)肩基部パーツ(外側)の接着〜マスキング
次に肩基部パーツの外側で更にサンドイッチしますが、キャノピーの稼働基部(赤いツメのようなパーツ)と、肩部のジョイントパーツ(紺色の部分)、ウィングバインダーのジョイントパーツ(紺色の部分)を入れ込む形となるため、これらもあらかじめ塗装しておく必要があります。必要なパーツを組み込んだら、肩基部パーツ(外側)で挟み込んで接着します。
一通り組み終わったら、キャノピーの基部(赤いツメ)、ウィングバインダーのジョイントパーツ(紺色の部分)を全てマスキングします。


3)肩基部パーツの合わせ目消し
マスキングを終えたら、ヤスリをかけていきます。塗膜をしっかり剥がし、瞬着を流してから合わせ目を消していきます。合わせ目が消えたら、削った箇所を改めて塗装しなおします


塗装
下準備
重ね塗りで塗膜が厚くなる可能性があったので、脚部の白いパーツを重ねる部分にはマスキングをしています。
白いパーツを被せた際、下地の塗膜の厚みで浮いてしまい、赤いパーツと面が揃わなくなる可能性があるためです(何度もコレで失敗したので…)。また同時に、動力パイプの付け根や脛のラインなどは黒に塗装し、マスキングをしておきます。


基本色(白)
今回はビビッドな配色を避け、全体を「赤〜イエローベース」で整えることとしました。そのため、白の下地塗装はカーキを使用し、強めのウォームホワイト〜白へのグラデーションを目指します。




留意点として、袖部の白が「基調の白と色が異なる」ことです。なので、袖部は無彩色系のグレー〜ホワイトとし、本体の白と差別化しています。

基本色(赤)
赤はかなり悩んだ点です。くすませすぎるとビルバインらしさが無くなり、かといってビビッドになりすぎるのも避けたかったためです。試行錯誤の結果、今回はオキサイドレッド(サフ)の上からモンザレッドを重ねていく形としました。モンザレッドは隠蔽力が低いため、細かく調整しながら塗布していけるのも良かったです。下地が結構暗いため、彩度の高いモンザレッドを塗布しても、渋めの赤となります。



基本色(黄)
爪のイエローもカーキを下地にし、黄色で立ち上げていきます。ただ、ガチで隠蔽力が無いので、さすがに調色した中間色を挟んでいます。また、結果的に黄色くなりすぎてしまったため、オレンジを上から薄吹きして赤みを足しています。黄色のグラデーションは、毎度難しいです…。


キャノピー
オーラーバトラーのキャノピーの塗装は、個人的なお悩みポインです。
設定上はもちろん透明なのでしょうが、劇中やイラストでも、キャノピーが透けている表現はほとんど見ないためです。コクピットの中が環境光より暗いため、結果的に反射した感じになるからだとは思いますが…。
色々考えた末、偏光パールをベースにして、クリア感と反射感の間をとることにしました。


偏向パール(アメジストパープル)を全体に塗布し、その後クリアブルーで色味を調整します。色調が整ったら、クリアブラックでグラデーションをかけ、最後にクリアコートをしてフィニッシュです。想像よりメタリック感に寄ってしまいましたが、まぁギリギリ及第点ということで…。
翅(ハネ)
翅のクリアパーツは、複数の偏光パール系をランダムに吹き、少しキラキラ感を出しています。あとは軸の部分を塗装して終わりです。ここはHJのサイトに紹介されていたものをそのまま採用しました。

オーラソード(鞘)
今回のチャレンジポイントとして、鞘の部分を塩マスキングしています。結論から言うと失敗したのですが…。
本来は全身を塩マスキングによるテクスチャー処理ができないかと妄想していたのですが、細かい凹凸や奥まった部分に塩を乗せるのが難しかったことと、合わせ目消しの関係で断念しました。
仕方なく鞘にだけはテストしてみたのですが、ほぼ意味がなかったという感じです。細かい斑点のようなテクスチャで濃淡の情報量を付加できれば、新しい表現ができそうなのですが…まぁ詰み課題ということで。



オーラバトラーであるにも関わらず、やたらメカっぽいビルバインの解釈はとても難しいですね。生物的な表現も似合わず、かといってメカメカしい硬質な表現もしっくりきません。またトリコロール配色であることも、特異(ガンダムなどのフォーマットに近い)です。しかし、それこそがビルバインが持つ魅力だとも感じています。
完成!
というわけでなんとか完成です。色味のバランスはいい感じになりました。本当はもう少しテクスチャーが欲しかったのですが、これはこれで良しということで。





なかなか手間をかけさせてくれるキットではありましたが、やはりガンプラの1/144と比べて塗装がしやすく、出来上がりも満足感があります。また、オーラバトラーはあまり作ったことがなかったので、良い経験になりました。
まぁ、一番の問題は、飾る場所に困るというところですね(大きさ的に)!
